日本健康教育士養成機構について

最新ニュース

  • 第1回 2023年6月17日(土)の学習会のお知らせ
    2021年度の新体制発足に当たっての理事長挨拶で、政府のコロナ禍対策への主要方針である「市民の行動変容」の実現は、健康教育及び健康教育士の充実強化の契機になると説きました。行動変容にはKAPモデルに代表されるように、態度の形成が不可欠ですが、これに加えて、K、A、Pのそれぞれは階層性を有しており、より高次のレベルの形成が行動変容を引き起こしやすいと指摘されています。学校健康教育の目標領域は現在、「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性等」から構成されていますが(観点別学習状況評価の観点としては、「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に向かう態度」及び感性・思いやりなど)、このKAPモデルに基づけば、「知識」「思考力・判断力・表現力」はK(認識)形成、「学びに向かう力、人間性等」はA(情意)形成、「技能」はP(行動)形成に匹敵しており、それぞれより上位の形成が求められています。アンケート調査で健康課題として掲げられたライフスキルは日常生活で発生する心理的社会的要因に対処する技能であり、態度形成をトレーニングできる手法ですので、コロナ禍で問題視されるようになったストレスの増大、心の健康や人間関係の希薄化への対応スキルとして重要です。今年度の学習会では、この健康教育本来の視点に立ち返えりながら、健康教育の低迷状態を打破し、充実強化していきます。その皮切りとして、学習会の展開について、アンケート調査で具体的建設的な回答をいただいた小松健太郎理事の提案を中心に、大津からのインタビュー方式により検討します。是非、多くの方のご参加を切望しています。
  • 第15回 学習会のご報告
    15回学習会は最終回だけに、SDGsの実現を目指すSociety 5.0 (Society 5.0 for SDGs)の人間中心社会において重視される人々の生きがい・ウェルビーイング(well-being)に着目しました。その新しい時代に対応したウェルビーイン実現のためには、多様な価値観に対応し、新たな価値を創造できる人材を多く輩出することが求められています。その人材として、健康教育士への期待は益々高まってきています。健康教育士は人々(素人)の多様な価値を承認し、健康を創り、ウェルビーイン(幸せ)に生きる力を高めることを支援する専門家だからです。健康教育士は無論のこと、一般の人にとっても,ウェルビーイングについて考究することはとても大切ですので、観光界でウェルビーイングの視点からのまちづくりに,国の先導者として大活躍の髙橋氏(兵庫県公立大学法人芸術文化観光専門職大学 准教授、ヘルスツーリズム研究所長)に有意義な実践例を交えながらお話し頂きました。   こちらからの要請は高橋氏による要旨、「地球環境や自然環境が適切に保全され、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満たすような開発が求められる時代となり、あらゆる面で持続可能性が強く問われている。2025年に開催される大阪・関西万博においても、「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives」がテーマとなり、SDGs達成、SDGs+beyondへの飛躍の機会、Society5.0実現に向けた実証の機会などが、開催の意義として謳われている。観光分野の視点からも、持続可能な観光地づくりを前提にウェルビーイング視点が求められ、これがまちづくりとしても受け止められるようになってきた。ここには健康教育士の知見や技術が求められているので報告する」に簡潔に明記されています。そして、有意義な実践例として、兵庫県富岡市における、来訪者と受け入れ側(地域)とのウェルビーイングづくり(大交流)について、市民+産官学、行政の縦割りでなく連携型取り組みなどを通しての試みを紹介する一方で、今後の留意点として次の指摘がなされており注目に値する。 1.ウェルビーイングの研究は学際的、且つ様々な ウェルビーイングの解釈がある。 健康教育分野ではどのように位置付け、 どのようにウェルビーイングを解釈するのか。 2.あらゆる面で持続可能なことが求められる中、 観光分野でも持続可能が追求されている。 その中心的な発想としてウェルビーイングが組み込まれつつある。 万博はそのさらなる契機になるとみられている。 3.観光現場での健康づくり(ヘルスツーリズム)が 定着しつつあるが、観光現場で 健康に関する専門人財(プログラムを作ることができる人 指導できる人)が不足している。 健康教育士の職域として「観光」を加えられないか。
  • 第15回 2023年3月18日(土)の学習会のお知らせ
    地球環境や自然環境が適切に保全され、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満たすような開発が求められる時代となり、あらゆる面で持続可能性が強く問われている。2025年に開催される大阪・関西万博においても、「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives」がテーマとなり、SDGs達成、SDGs+beyondへの飛躍の機会、Society5.0実現に向けた実証の機会などが、開催の意義として謳われている。観光分野の視点からも、持続可能な観光地づくりを前提にウェルビーイング視点が求められ、これがまちづくりとしても受け止められるようになってきた。ここには健康教育士の知見や技術が求められているので報告する。
  • 第14回 学習会のご報告
    第14回学習会「「健康や生きがいづくりに役立つ実体験」の報告(まとめ) 今回の学習会のねらいは、健康に関する実践・実体験について情報交流をすることにありました。 1. 講師の鎌田氏は欠席のため、大津方で原稿を代読しました。 その内容は、大学卒業23歳から60年間にわったて、「養護教諭(健康教育)は、子どもが主体的に自らの目標を設定し、生活を振り返りながら責任ある健康行動が取れることと考えて実践してきたこと、考えていることを述べたい」として、「誕生から自立までの育ちを見守る制度作り(QOLを育てる)」「OECD学びの羅針盤」「理論と実践の往還」「女子栄養大学における実践と理論の双方向性(交流)」、「おわり;2023年は、身体的、精神的、情緒的、社会的健康の発達カリキュラムの基盤とHE & HPの新しい実践力とが両輪としてスタート出来ることを期待している」です。 そして、「【18歳時に国民教育”HE & HP” 2単位】を国の政策として実施する方針とシステムについて提案したい!として、ご意見をchako856@ybb.ne.jpまでとのことでしたので、よろしくお願いします。 2. 講師の守山氏は、その著「触れることと生きること: 皮下気腫とプチプチから今後の教育へ」(アマゾン出版、2023年)の中で、大手術の体験を述べており、これを大津方で紹介後、プチプチやポリ袋を用いた触覚的な方法を演習しました。  術後の痛みの中で、痛みの世界に閉じ込められそこから抜け出せないような感覚に陥ったこと、幸いにも回復し始めたとき、特に印象に残っているのが皮下気腫でそれに触れて、改めて自分が存在し、生きているという感覚が生まれたこと、こうした 感覚を、病気から抜け出した後も持ち続け、普段の生活の中でも忘れないで育て続けることが大切だと思ったこと、その育てる方法がプチプチを用いて、またポリ袋に自分の息を吹き込んで、考えを実体として捉えてそれに向き合い、探求する触覚的な方法であり、触れることは心を育てることに関係しているとの結論に至ったと記されており感銘したからです。 演習を通して、健康教育士にとって大切なことは、「健康のもとにある心」を理解して育てることであり、その育む出発点としての「手の存在」そして「心の存在」を意識することの大切さを痛感しました。「健康教育の冒険: 心と行動をプチプチとポリ袋から 手で考える試み」(アマゾン出版、2023年)
  • 第14回 2023年2月18日(土)の学習会のお知らせ
    今回は、健康教育士養成に必須の健康教育を学習するにあたっては、健康に関する実践・実体験を取り扱うことの必要性について情報交流をしたいと思います。メディアや報道の社会的問題の解説や分析、解決、政策が役に立ったのであろうか?Health Education & Health promotionの理論にあてはめることや考察するのは大学生の講義や研究の素材にはなるだろうが、人々の実践力には繋がらない。個と家族や友人との生活からの学びや助け合いが、誰か(自分)の役に立ったという実践・実体験こそが健康教育として語り継がれると思います。84歳を迎え、今後やりたいことは、「”養護”実践」の体験談と人を介して再現する場合の配慮、若い脳のウェルビーイングのための生き方や人間関係、国際的視野でのSDG’s の推進等です。特に、18歳を対象にした講義「100歳を健康長寿に迎える」(必修2単位)を計画しており、どのように展開すればよいかについて話し合いたいです。
  • 第13回 学習会のご報告
    セルフマネジメント支援とは、老いても病を持っても、自分らしい生活をするため、自分らしく生きるため、自分らしく生活を楽しむための援助です。健康教育士としては、健康を病気のアンチテーゼとして捉えるのではなく、多面的にとらえる力が必要になります。講師の安酸は看護を専門としておりますので、セルフマネジメント支援によって患者さんが自己効力感を高め、エンパワメントすることを目指して、看護学生や看護師を対象にセルフマネジメント支援について教えてきました。今回は、看護以外の方々にも参加していただき、セルフマネジメント支援について一緒に考える機会ができ、嬉しく思っています。感想として、「理論から実践へ導いて頂きとてもよく理解できました。しかし、実際は、なかなかこの様にうまくいかないですね。」とご意見をいただきました。まさにそれこそが現実だと考えております。だからこそ、実践を大切にしたい研究者としては、理論と実践の橋渡しをする概念や方法論の追求をしていく必要があるなと改めて感じることが出来ました。

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