第10回 学習会のご報告

学校におけるがん教育の目標は「がんについての正しい理解」(知識・認識形成)と「命の大切さ(生活の質、共生を含む)」(情意形成)であり、平成29年度からの全国展開を目指しています。その成果を上げるには、わかりやすい教材等の開発とその活用方法等が示された指導参考資料を作成することが重要とされています。特に、QOLの向上・生きがいが求められるこれからの社会においては、「命の大切さ」を育む情意形成は一層重要視され、これまでのがんの患者・経験者の講話などに留まらない汎用的学祭的知見を活用した教材開発が求められています。この点において、鳥居らのがん患者及びその家族の心の変化の実例をもとに、ストレスコーピングスキルなどのライフスキルやラザラスのトランスアクションモデル(1984)などを取り入れ、それらを駆使して適切に対処できるストレスマネジメントスキルを身につけるためのワークシートを検証的に開発し続けている実績は示唆に富んでおり注目に値します。
このワークシートを活用した演習では,参加者からは“ストレッサーを明確にしないと一次評価以降のプロセスが定まらない”などの貴重な意見が出され,今後の教材(ワークシート)開発にとって大変有意義でした。

投稿者:sonobe.masato 投稿日時: