3.健康教育・健康教育士への今日的社会的要請が増大している

 With・afterコロナ禍での新しい生活様式の創出・行動変容への対応、経済協力開発機構(OECD)の「考える力」及び平成29・30年改訂学習指導要領における「保健の見方・考え方」の重視、第2次健康日本21に引き継がれているヘルスプロモーションの理念(健康を創る・QOLの向上・健康はQOL向上の資源・人々の能力・見方・考え方の重視など)、健康で幸福な人生100年時代の実現、Beyond Health,生き方・働き方の意味・価値の再定義、ワーケーション、持続可能な社会の実現(SDGs)などがクローズアップされ、健康教育士の出番が到来したと考えています。

 経済協力開発機構(OECD)は1990年代以降、グローバル化や技術革新の加速的変化の中、各国に共通する人間の基本的能力(キー・コンピテンシー)として、①自律的に活動する力(展望力、物語力、表現力)、②道具を相互作用的に用いる力(言葉の力、科学的思考力、テクノロジー活用力)、③異質な集団で交流する力(対話力、協働力、問題解決力)の3つが重要であり、その核となるのは、「考える力」であるとしています。

この流れを受けて、2017年に小・中学校、2018年に高等学校の学習指導要領が改定され、引き続き「生きる力」が教育方針として掲げられ、「知識・技能」、「思考力・ 判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等 」の3つの資質・能力を身につけることが求められました。そのために各教科において、「見方・考え方」を働かせることが重視されました。

 ちなみに、保健の見方・考え方とは「個人及び社会生活における課題や情報を健康や安全に関する原則や概念に着目して捉え,疾病等のリ スクの軽減や生活の質の向上,健康を支える環境づくりと関連づけること」と記されています。原則や概念に着目するのは,変化の激しい社会において次々と生起する健康事象の一つひとつへ対応していくのは深野と言っても過言でなく、様々な健康事象を結ぶ共通要因である原則や概念を適用することの方が,一を聞いて十10を知るのたとからも、偏りなく効果的に対処できる可能性が大きいからです。 

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